医学翻訳の添削にはどのようなツールがおすすめ?専門業者に依頼したほうがいい?医学論文の添削について解説します

日本語の論文を翻訳するとき、最も難易度が高いといわれるのが医学論文です。
さらに医学論文は執筆も対象読者も専門家になります。

その医学論文を一般に利用されている翻訳添削ツ―ルで翻訳できるのか。
自分で翻訳添削ツールを使用し添削した場合、正確性はどれくらいなのか。
もしくは翻訳添削サービスに依頼するなら、どこがオススメで依頼の際にはどのようなことに注意すべきか。

そのポイントについて、この記事では解説します。

医学論文はどのようなことが特徴か?

医学論文とは、専門医や研究をしている医師が行った研究成果を医学の専門書などに投稿し、発表するための論文です。
そのため、専門性が非常に高いものになります。
特に、英語の医学論文は専門用語が一般の英単語と異なるため、ライティングにも翻訳にも高度な知識とテクニックを必要。

しかも、論文内容が医学の専門家を対象としているので翻訳をする際にも言葉のニュアンスを正確に伝えるには、専門分野に特化した知識も必要です。

さらに、投稿するジャーナルにはフォーマットがあり、そのフォーマットに沿ったスタイルで執筆をする必要まであります。
これらのフォーマットには細かいルールが設定されているためにジャーナル毎に規定のスタイルを事前に確認することが重要です。

医学論文の代表的なものは原著論文/ORIGINAL ARTICLE

医学論文で最も代表的なスタイルは原著論文とよばれるものです。
この論文は、最新の研究や知見などの内容について執筆されたもので、ジャーナル投稿前に査読がされ、受理された論文が掲載されます。

投稿論文は、どこのジャーナルにも未掲載で投稿もされていない内容のものが必須条件となります。
原著論文は、他の研究者がその論文に記載された方法で同じ検査を行った場合、同じ結果が得られることが重要です。
これを再現性とよばれていて、査読の際に論文内容の再現性があるかどうかが重視されます。

原著論文には規定の構成スタイルがある

医学論文はその研究成果を発表するために、どのジャーナルにおいても既定の構成スタイルがあり、論文タイトル、著者、所属の他に大きく分けて7つのパートに分かれます。

論文には著者とその論文に記載されている研究に関わった研究者ごとの所属する大学や病院名などが記載されます。

一般的に筆頭著者とよばれる著者は、その論文に一番関わりを持ち貢献度が高い人の名前が記載され、英語ではFirst Authorとよばれています。

研究者が所属する医療機関名はAffiliationsとよばれ、論文に関わる研究者全員の所属機関名が記載。
ジャーナルによって所属の記載方法が論文の最後に書かれているものもありますが、一般的にはタイトルの下に記載されている著者の後ろに書かれています。Images

要約/ABSTRACT/SUMMARY

医学論文には、冒頭部分に要約とよばれる研究内容の背景、目的、結果についてどのような研究について書かれているのかが簡潔に書かれています。

そのため、この要約を読めば論文内容を簡単に把握することが可能。

この要約は英語でAbstractやSummaryとよばれていて、ジャーナルによってAbstractだけが書かれものや、SummaryもAbstractの後、両方が書かれているものがありますが、日本語、英語に限らずどのジャーナルにおいても共通しているのは、必ず要約が記載されていることです。

序文/INTRODUCION

序文には、なぜその研究を行ったのかについての背景が書かれています。
さらに、その研究を行った理由が研究課題として書かれているため、どのような課題を解決する研究なのかについて知ることが可能。

つまり、要約と序文を読むことで論文の研究目的とどのような課題について研究をしたのかが理解できます。

方法/METHOD

方法には、その研究で使用された検査方法、薬剤、撮影方法などについて、また健康な人か、何かの疾患患者なのか、何人を対象に行った検査かなど、実際に行ったことについて詳しく書かれています。

結果/RESULT

結果には、図、表、画像などが添付されることが多く、これらのデータから得られた研究結果について書かれています。

そのため、研究データを詳しく知りたい場合は、結果を読むと素早く理解することが可能。

結果に使用されている表、図、画像などのデータは、研究結果そのもので、論文結果を理解するために非常に有用です。

考察/DISCUSSION

考察では、研究により判明したことや、明らかになったことをもとに自分の解釈を進める内容が詳しく書かれています。

結語/CONCLUSION

結語には、この研究を行って得られた結果内容から、どのような意義や課題の解決につながるのかについて書かれています。

引用文献/REFERENCES

その論文を執筆する際に引用した文献の一覧が引用文献にリストされます。ジャーナルによっては参考文献として一覧を記載するものもあります。

症例報告/CASE REPORT

症例報告は、疾患について未知の合併症や病態、稀な臨床例などについて書かれた論文で、新しい診断や治療方法について医療従事者に伝えることが目的です。

そのため、新薬の治療経過や副作用や使用例などが取り上げられることもあります。
症例報告は、実際の臨床現場で治療中の患者についての経過報告について記述するものです。

総説論文/REVIEW

総説論文は、英語でReviewとよばれ、何か特定のテーマがある先行研究の動向や、概要について書かれた論文です。
そのため、総説論文を読むことで特定のテーマについてのアウトラインを理解することができます。出

編集後記/EDITORIAL

様々な研究内容について、専門家が執筆している論文の中で一般の人でも一番読みやすい論文がエディトリアル。

専門家が何かの問題やトピックに関する過去の研究内容を分析し、意見を述べていることが特徴です。

エディトリアルは幅広い分野の研究について書かれた論文で、簡潔にまとめられているので読みやすく、英語の論文を執筆する人には表現の参考になるので人気があります。
ええ様

医学論文翻訳の添削ツールでは何がオススメ?

医学論文を英語で執筆するとき、専門の翻訳ツールをオンラインで利用することが可能です。
この翻訳ツールは登録なしで簡単に利用できるものもあります。

これらのツールを利用すれば、和訳、英訳、どちらの論文も手軽に翻訳することができるため便利です。

医療翻訳 QLIFE PRO

460万語の医療辞書を搭載 登録しなくても利用ができる便利なツール。
医薬専門の翻訳として無料で利用できるので、愛用者も多いのが特徴です。

臨床医学、バイオテクノロジーまで対応しており日本国内だけでなくWHO、NHS、FDAなどの医療機関や権威性が高い医学雑誌、Lancet、NEJM、BMJなどの自動翻訳機能が使用できる他、PUB Medのアブストラクトの和訳や日本語キーワード検索できる機能が利用できます。

翻訳ピカイチ メディカル

南山堂医学英和大辞典の20万語を搭載した専門翻訳ソフト。
臨床医学だけでなく、基礎医学、公衆衛生、精神医学、感覚器、歯学や薬学にも対応しています。

さらに医学に関連するバイオテクノロジー、化学、生物学、数学物理、農学の分野にも幅広く対応しているため、多彩なジャンルの論文をスピーディーに翻訳することが可能。

英語のジャーナルに掲載されている論文をPDFファイルからも翻訳することができる便利な機能付きで、読みたい論文のアブストラクトやサマリーをスキャンすれば紙原稿からも翻訳することができます。

COTOHA TRANSLATOR

TOEIC960点以上レベルのAIによる翻訳ツール。
専門用語の辞書を登録することができるので、高精度の機械翻訳を可能にします。

Word、PowerPoint、Excelなど日常的にビジネスで使用するアプリケーションで作成されたレポートや会議資料のファイルをドラッグして直接翻訳の他、PDFからスキャンした論文なども翻訳することが可能なので、誰でも簡単に操作することができます。

ZINRAI TRANSLATION SERVICE

AIの翻訳(TOEIC960点レベル)ツールはテキストだけでなくPDFファイルやMicrosoft Office、Skypeのチャットにも対応。

最新のAIによる翻訳は、30日間の無料トライアルサービスが利用できます。
Outlookのメールはもちろん、独自のシステムに組み込むことも可能なので、とても便利です。 

医学翻訳の添削サービスを依頼するなら、どの会社がオススメ ?

医学翻訳の添削サービスには、アプリなどの他に、専門の翻訳会社の添削サービスを提供している会社もあります。
ここに紹介する会社は、どこも医学専門のスタッフがいる翻訳会社です。

英語論文の添削を依頼するなら日本人スタッフなら英語力がネイティブレベルで、かつ医学の専門家レベルの英語力の校正者が担当をしている会社がオススメ。

医学論文は、読者ターゲットがネイティブスピーカーの専門医や、それと同等の英語力がある専門医などです。
そのため、英語力と医学の専門知識の両方を兼ね備えたエキスパートに依頼をするのがベストなのです。

さらに、ジャーナルの投稿規定にふさわしい英文に添削してもらえることで、論文をスムーズに投稿できる体裁に整えてもらえることは、研究成果を発表するためにはとても重要です。

エダンズ

医学翻訳の添削サービスでオススメの会社は、研究論文を専門に添削しているEdanz(エダンズ)です。

エダンズの校正専門家チームは、各分野のエキスパートが担当をしています。
そのため、専門性が高いだけでなく自然な英語表現の論文に添削してもらえるのが特徴です。

また、エダンズでは特にがん領域の論文校正にも強く、Nature Reviews Neuroscienceの副編集長経験があるスタッフなど、がんのエキスパートが論文サポートをしているため医学界でも権威性が高いThe Lancet Oncologyなどのジャーナルを始め、さまざまな有名ジャーナルに投稿実績があります。

こちらでもエダンズについて紹介しています。
https://text-correction.info/ranking/edanz

研究支援 エナゴ

全員が英語のネイティブで博士、修士の研究者が添削を担当するのがエナゴでは、2人の校正者が1論文をダブルチェックしています。
主にアメリカ、オーストラリア、カナダ人で査読経験があるスタッフも多数在籍しています。

さらに、正しい英語の表現かどうかをチェックするサービスから、盗用、剽窃のチェックや投稿規定に準じているかどうかをチェックしてもらえるサービスもあります。

フォルテ

論文を読ませるフックとなる抄録を作成してもらえるサービスを提供しているフォルテは、ジャーナルの投稿規定のチェックサービスもしている会社です。

臨床医学の幅広い分野は、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ人の各専門領域の博士や医学士が校正を担当しているので、より自然な英語表現に添削をしてもらえます。

JMC (JAPAN MEDIACL COMMUNICATION)

ネイティブスピーカーの医学博士が校正を担当しているJapan Medical Communicationは、医学系の英文論文に掲載するための論文の校正経験が豊富であることが特徴。

納品前に、必ず日本外科学会、日本内科学会の公式編集担当者がダブルチェックをしてくれるのも特徴です。
再校正やマイナーチェンジは1年以内なら無料で受付しています。

翻訳ツールと添削サービスのメリット・デメリット

英語の医学論文には、正しく高度な論文に仕上げるために翻訳ツールによる添削や、添削サービスを行う会社による添削が欠かせません。

どちらにもメリット・デメリットがありますので、利用する前に知っておく必要があります。

翻訳ツールメリット・デメリット

自分で執筆した医学論文が正しい英語表現になっているか、どうかをチェックするには翻訳ツールは手軽で、大変便利です。
ここでは、翻訳ツールのメリットとデメリットについて解説します。

翻訳ツールメリット

正しい英語表現を確かめる時には、待ち時間なしに即座に確認できるのが翻訳ツールの最大のメリットです。
登録をすれば無料で利用できるツールもありますので活用度は高く、気軽に翻訳チェックをすることができます。

翻訳ツールデメリット

一般の翻訳ツールでは専門性が高い医学翻訳は必ずしも正確だとは言いきれない部分があります。

なぜなら、一般のネイティブスピーカーが医学の添削が難しいのと同じで、専門用語だけでも一般の英単語と異なる医学翻訳では、ターミノロジーだけでなく専門的な内容の文脈を正確に伝えることが必須だからです。

そのため、日本語を英語に翻訳して、正確な文脈を伝えるには、翻訳ツールやソフトに頼るだけではなく、最終的に人間が目で見て確かめ、微妙な表現が正確に翻訳できているかをチェックすることが必要です。

特に医学の分野では、この正確性が最優先事項になります。医学翻訳ツールであっても決して万能ではないことを理解して利用するようにしましょう。
● 専門性が高いため必ず正しい英語表現とはいえない。
● 文法、専門用語は合っていても微妙なニュアンスまでは対応できないこともある。

添削サービスのメリット・デメリット

高度や専門知識を持つネイティブスピーカーによる添削サービスは、日本人にとっては非常に頼りになる存在です。
便利な添削サービスのメリット・デメリットはどのようなことなのかについて知っておくべきことを解説します。

添削サービスメリット

添削サービスのメリットは、何といっても精度が高い校正で、専門性が高い英語圏の研究者が読んでも細かいニュアンスまで伝わる英語表現に添削してもらえることです。

しかも、ジャーナルにマッチした英語表現か、投稿規定に見合っているかなどのサービスも受けられるために、論文の受理率を高められます。

さらに、専門家が添削した英語は、自動機械翻訳とは違い正しい医学論文のための表現です。
そのため論文の投稿に無駄な費用や時間を費やすことなくスムーズな受理に結びつきます。

添削サービスデメリット

添削サービスのデメリットは、やはりコストが高いこと。
翻訳ツールは何度でも無料で使えたり、比較的安いコストで利用することができたりします。

また、どんなに早くても翌日納品など時間が必要になります。
添削サービスを利用する時には、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

それぞれをふまえて質の良い添削サービスがやはりオススメ

医学翻訳ソフトやツールを利用した場合でも、最終的に人間の目で見て正しい文脈か、正確に伝わる翻訳かを見極める必要があります。

そのため、総合的に考えるとやはり質の良い添削サービスを受けることが英語の医学論文には得策だと言えるでしょう。

質の良い添削サービスはこんなに有益

質の良い添削サービスを受けるとこんなに有効です。

● 投稿ジャーナルにふさわしい英語表現にブラッシュアップしてもらえる。
● 投稿規定の基準を満たしているかチェックしてもらえるため査読にスムーズに進む。
● ジャーナルに受理される確率が高まるため研究成果の発表がスムーズにできる。
● 英語表現がジャーナルのレベルになるため、却下のため修正、再投稿のための時間も費用も節約できる。
● 翻訳ツールでは添削できない、いわゆる英語医学誌レベルのニュアンスまで対応してもらえる。

添削サービスに記事添削を依頼する際の注意点

添削サービスには剽窃や盗作チェックや、投稿規定に準じているかどうかのチェックのサービスを提供している会社もありますが、これらのサービスの提供をしていない会社もありますので、以下の点に注意しましょう。

● 英文はカンマを入れる位置によって文法上で文章の意味が変わってしまうことがあります。そのため、英語の論文を 書く時にはカンマの位置に気をつける必要があります。
● 英語は日本語ではあまり使用されないコロン(:)やセミコロン(;)を使うことが日常的にありますので、これら を正しく使い分けて論文を書くことが大切です。
● 英語の論文では、似たような文章表現を真似たために剽窃になってしまうケースも見受けられます。剽窃になってしまった場合、せっかく優れた研究成果をまとめた論文自体が却下になって投稿できなくなってしまうので、添削サービスを受けてそのようなことにならないようにすることが重要です。

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