「ビジネスレターは書けるけれど自由英作文は書けない」、「自由英作文は得意だけど、ビジネスシーンでは使えない」という話を耳にします。ある程度、英語に慣れ親しんでいても、両方を苦もなく書けるようになるのは、難易度が高い技のようです。
彼らは「ビジネスと日常は違う」と、異口同音に答えます。確かに日本語でもビジネスと日常では違いがありますが、同じような英作文なのに、使うシーンが違うだけで書きにくくなってしまうのは、どんな理由があるのでしょうか。
ビジネスシーンでの英作文において最も大切なのは、「正確に伝える」ということです。大げさに表現すれば、一つの文章が企業の盛衰を左右する可能性もあるので、相手へ正しい言葉で伝えることが何よりも重要となります。そのためには、文章の無駄を省き、抽象的な表現を排除して、簡潔な文章を作る技が必要となのです。
また、日本語にない表現として、冒頭に結論を書いてから、本文へ誘導するというものがあります。複数の内容を伝える時は、段落の文頭ごとに結論を入れます。使用する言葉は統一して、数字などを使い曖昧な表現を避け、可能なら箇条書きを取り入れて、文章を整理するのも有効です。読み手の立場に立った、理解しやすい文章が基本となります。
日常英会話と似て、口語や熟語など、慣れ親しんだ英語を用いるのが日常英作文の基本です。読み手を楽しませることも目的に含まれますので、用途により型にはまる必要性は低くなります。例えば、英語で書かれた小説を読むと、結論を先に書くセオリーとは違い、説明から始まる小説もありますし、SNSなどの文章表現もセオリー通りではありません。文章を作るのに慣れるまでは、わかりやすさを重視して結論から書く形をおすすめします。
ある程度書くことに慣れてきたら、伝えたい内容により日本語的な起承転結で書き進めても良いでしょうし、結論から書き出せば伝わりやすさがアップします。日記などのプライベートな文章以外は、読み手がいることを常に意識しましょう。
どちらの文章も読み手がいる点では同じですが、伝える内容の重要度、必要性などが大きく異なるため、必然的に表現方法が変わってきます。ビジネスシーンでは無駄な表現を省き、正確さと簡潔さが重要となるので、ある程度はパターンが決まってきます。また、読み手の立場により、専門的な言葉を使ったり、失礼のない言葉を選ぶ配慮が必要です。
日常英作文は、読み手が不特定多数のことが多いので、口語のような読みやすい言葉を使用します。セオリー通りでも外れていても、伝えたい内容により表現方法を変えていけば、読み手が楽しめる文章となります。双方ともに使うシーンの違いだけでなく、気を配るポイントや表現手法が、対照的といえるほどに変わるのです。
日本語で文章を書く際も、正確さと簡潔さを兼ね備える文章を書くのは難易度が高く、慣れが必要です。特に簡潔さを重んじる英語のビジネスシーンでは、クレームになる可能性もあります。英会話が堪能でもビジネスシーンで通用しない理由は、会話ではあまり使用しない、簡潔で失礼にならない言葉選びが必須となるからです。また、相手の立場により表現を変える必要もあり、オールマイティーに通用する文章がありません。多くの文章を書き、様々なシーンに対応できる力をつけるのが、上達の近道となるでしょう。
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