【豆知識】英文の校閲とは何か?

「校閲」という仕事は、出版業界の裏方なので、聞いたことがない人も多いでしょう。これは出版物を制作する工程の最終段階でおこなう、文章全体をあらゆる角度から深く掘り下げてチェックする、とても重要な作業です。

英文にも校閲があり、当然のことながら、高い知識を持つネイティブスピーカーが作業にあたります。出版社には校閲をおこなう社員が在籍していますが、英文となると外部委託がほとんどのようです。では、英語の校閲が必要な文章とは、どんなものなのでしょうか。

 

そもそも校閲とは何か?

「校閲」とは、出版物の文字の正誤や文法の用法をチェックするだけでなく、文書全体が適正かどうか、事実関係が間違っていないかまで、深く掘り下げて徹底的にチェックをする作業のことです。たとえば江戸時代の小説なら、当時の文化風俗に照らし合わせ、綿密な時代考証をおこなうのも仕事の一つです。作者は下調べをして記述しますし、編集者も作者をサポートするために学びますが、制作側では客観的な視点を持つことが難しくなります。

逆に校閲は、制作段階ではいっさい関わらず、最終段階で初めて、隅々まで読み込みます。日本語でもかなりの知識が必要で、校正者としてエキスパートになってから初めてできる専門性の高い仕事で、英語でも同様に専門知識が必要となるでしょう。

 

校閲と校正の違いって何?

「校正」は文字や文法の誤りを確認する作業で、「校閲」は書かれている内容まで調べる作業です。例えば「1980年1月1日、東京は晴れだった」という文章をチェックするなら、校正は誤字脱字や文法の誤りがなければ「修正なし」とし、文字の誤りがあれば校正記号を記入し、原稿を編集者へ返します。

「校閲」は、1980年1月1日の東京は晴れだったのか、当時の新聞や資料から事実であるかを調べて、「○○新聞と気象庁の資料を調べたところ、その日の東京は雨で、夕方から晴れでした」という指摘を編集者へ返します。あくまでも調べて確認するだけなので、申し送りをしても修正はおこないません。一つの資料では信憑性が高いとはいえないので、複数の資料からの事実確認を求められます。

 

英文添削会社の校閲の特徴

その専門性の高さから、日本語の校閲をできる人も希少な中で、英語の校閲者となると外部委託しか手はなくなるでしょう。日本で必要となるのは、主に学術論文、法律関連や特許などの限られた分野です。しかし、文書そのものの専門性が高いので、添削の専門会社でも大学教授や弁護士などの有資格者、博士号を取得しているジャーナリストなどプロフェッショナルが作業をします。

例えば学術論文は、学術誌と呼ばれる研究論文を発表する雑誌に投稿し、掲載されれば研究が認められたことになります。これらの論文は英語で書かなければいけないため、最終確認を英語の添削会社に依頼します。ある専門会社のサイトには「当社の作業で論文の掲載率が上がる」と宣伝されているため、力量の重要さが窺えます。

 

まとめ

表舞台からは見えない校閲ですが、私達が目にする書籍や雑誌には、この作業が大きく関わっています。この作業を経ないと、出版できないのが書籍です。出版にまつわる作業はどんどん人手を離れ、媒体さえ紙からウェブサイトへ移行しつつありますが、最後の確認は人の目を通し、それから世に出ていきます。どれだけ自動化やコンピューター化が進んでも、人の力と知識は、それらをはるかに超えるパワーがあるのです。

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