医学に関する英文をスムーズに翻訳できる便利なツールは使える?

プロでも特に頭を悩ませるのが医学関係の専門書などの英文翻訳だと言います。なかでも医療の専門家に向けられた論文や報告書では一般には使われない特殊な語彙が多用されるため、翻訳者のほうにも専門的な知識やスキルが求められます。

専門性の高い分野の翻訳にはその分野に特化したソフトが用意されています。それらのツールはとても役に立ちますが、一般向けではないだけに使用するにあたってはそれぞれのツールの特性を充分に理解する必要があります。一般用ソフトとの違いも簡単にまとめました。

専門の英文を正確に翻訳する難しさ

医学関係の論文や解説書を和訳するうえで何よりもネックになるのは、使われるボキャブラリーの難解さです。医学用語は一般の人にはわかりにくい専門用語が多く、それらを日本語のニュアンスに置き換えるだけでも専門性の高いスキルを必要とします。

医学用語における日本語と英語の違いは、語感だけで意味が想像できるかどうか、という点に尽きます。たとえば喘息という病名なら、症状についての知識がまったくない状態でも文字を見ただけで、「息が喘ぐように苦しくなる病気だな」とわかりますが、「asthma」と英訳すると語感だけでは症状が読み取りづらくなります。また、症状を一般向けにわかりやすく解説する類の文章でも、英文をそのまま日本語に直しただけではニュアンスがうまく伝わらないことがあります。

これは日本とアメリカの文化背景の違いに起因するもので、専門のボキャブラリーを覚えるよりも先に両国の文化についてある程度調べておいたほうがスキルが身につく場合があります。専門性の高い翻訳であるからこそ、それ以外の分野にも幅広い関心を持ち、つねにアンテナを張っておきましょう。

翻訳するための方法

近年では性能の良い医学専門翻訳ツールがネット上で公開されていますので、いつでも手軽に専門の論文などを和訳することができます。テキストボックスに翻訳したい英文を入力するだけなので、使い方も簡単です。プロフェッショナル向けの翻訳ツールの中には利用にあたって会員登録が必要なものもありますが、登録なしで自由に使えるソフトも多数提供されています。

ただし、どんなに高性能であっても万能というわけではなく、翻訳文の中に機械特有のぎこちない言いまわしや文脈にそぐわない表現が混じってしまうこともあります。その場合は人間の目で違和感のある個所をひとつひとつチェックし、自然な日本語に置き換えていく必要があります。

従来のソフトはデータベースの照合システムによる翻訳が主流でしたが、近年には人工知能を搭載した自動学習型のアルゴリズムを取り入れたソフトが開発されはじめているようです。まだまだ改善点はあるものの、複雑な専門用語をたちどころに和訳してくれる医学専門翻訳ツールは、プロフェッショナルの間で高い信頼を得ています。

翻訳ツールはどのくらい正確なのか?

翻訳ツールを使ううえでまず気になるのがボキャブラリーの正確もあるかと思います。特に医学関連の専門書では知識を正しく伝えることが最優先課題となるため、和訳にあたっては一般書以上に慎重さが求められます。医学専門ツールにかぎらず、あらゆる英文翻訳ソフトの性能を評価する指標は、データベースの規模、語彙の正確さ、修正の的確さ、文脈の理解度だと言われています。データベースが豊富でたくさんの語彙を記憶していても、文脈を無視した言いまわしを多用するようではソフトとしての価値は下がってしまいます。翻訳ソフトの開発で最も難しいのは文脈理解だと言います。人間らしい表現にいかに近づけるかが開発者の腕の見せどころのようです。

現段階では、人間の目のほうが正確ではありますが、開発途上の人工知能型翻訳ツールが普及すれば英文和訳の精度がさらに高まるのではないかと期待されています。

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