どんなに素晴らしい研究を成し遂げても、英語論文のクオリティが低いと研究内容や研究成果を正確に伝えることはできません。
英語論文には特有の文体や文型があるので、英語論文に取り掛かる前に英語の文法について学んでおくと良いです。
ここでは、英語の文法、英語論文の避けるべき用法だけでなく、おすすめの英文添削方法などについてもご紹介します。
初めて英語論文に挑戦する方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
英語論文の文法や執筆の仕方を効率よく学ぶために、まずは以下の2点を理解しておきましょう。
日本語でも会話文と論文での表現の仕方が異なるように、英語論文でも特有の文体があります。
英語でも論文で使われる英語はフォーマルで、使われる文体は「アカデミックイングリッシュ」です。
会話やメールなどでしか英語に触れる機会がない人は、普段から同じ分野の英語論文を読み、「アカデミックイングリッシュ」に慣れておくことが重要です。
英語論文を数多く読みこなすことで、頻繁に使われる文体や語句に気づけます。
英語の文法を理解するうえで、事前に知っておきたいのが英語の品詞です。英語の品詞がわかれば、英語文法の説明も理解しやすくなります。
英語の品詞は8種類に分類され、それぞれの違いは次のとおりです。
※10種類に分類している参考書等もあります。
【名詞】
名詞は「egg(たまご)」「apple(りんご)」などの他に、動詞が名詞化した「studying(勉強すること)」「talking(話すこと)」のような動名詞があります。
いずれも、主に「主語」「目的語」「補語」として使われます。
【代名詞】
「It(それ)」「he/she(彼/彼女)」などが代名詞で、名詞と同じように「主語」「目的語」「補語」として使われます。
【動詞】
動詞は「play(遊ぶ)」「make(作る)」など動作を表す単語で、接続詞がない限り、各文章に1つしかないものです。
動詞は、命令文や倒置文など一部の文を除き、必ず名詞の後にきます。
※「助動詞」(will、 canなど)も動詞に含まれますが、単体では使用せず、動詞とセットで使用
【形容詞】
名詞を修飾する単語で、「young(若い)」「good(良い)」などで、「補語」「修飾語」として使われます。
「補語」と「修飾語」の違いは次のとおりです。
補語:She is short.(彼女は背が低い)
修飾語としての使い方:She has short hair.(彼女は髪の毛が短い)
※「冠詞」(the、 a)も形容詞に含まれ、冠詞は名詞の前で使用されます。
【副詞】
副詞は「修飾語」として使われ、形容詞とは違い副詞がなくても文章が通じます。
副詞にあたる英単語は、「sometimes(時々)」「always(常に)」などです。
【前置詞】
前置詞は日本語の助詞「~の」や「~で」にあたり、単語の前に使います。
英語の前置詞は「of(の)」「on(上)」「to(へ)」などです。
【接続詞】
接続詞には文や品詞をつなぐ役割があり、「and(~と)」「if(もし)」「when(~する時)」などが接続詞です。
【間投詞】
驚きや悲しみなどの感情や相槌を表す単語で、「Oh(おー)」「Well(では)」などがあります。
英語文型は「S(主語)」「V(動詞)」「O(目的語)」「C(補語)」の4つの組み合わせでできる文型のことで、5つあります。
それぞれの特徴と英語論文で好まれる文型は、次のとおりです。
シンプルで、英語論文でももっとも好まれる文型です。
第1文型は必ず目的語が不要な「自動詞」が使われ、「自動詞」の後に「前置詞」がくることもあります。
よく使う自動詞は前置詞とセットで覚えておきましょう。
例文:He goes to office.(彼は会社に行く)
第2文型は日常英語でよく使われる文型です。
第2文型は、「動詞がbe動詞」「主語=補語」「動詞の後が形容詞か名詞」になるので、見分けがしやすいです。
目的語と補語の違いがわからない人も多いかもしれませんが、見分け方としては、「S(主語)=C(補語)」になっているかどうか。
例文:I am a doctor.(私は医者です。)
(I = doctor)
第3文型は英語論文でよく使われる文型で、動詞が他動詞のみであることが特徴です。
また、第2文型とは異なり、「主語≠補語」になります。
例文:He has a car.(彼は車を持っています。)
第4文型には動詞の後に目的語が2つあり、使われる動詞は、「give」「tell」「buy」などです。
論文で第4文型が使われることはほとんどなく、使われる動詞は「feed」「given」「administer」「prescribe」くらいですので、覚えておきましょう。
第5文型は、「主語+他動詞+目的語+補語」の順番で、補語は「名詞」「形容詞」「to不定詞」のいずれかになります。
第5文型に使われる動詞は限られているので、動詞を覚えていれば第5文型であることをすぐに見分けることができます。
補語が名詞になる動詞は「name」「designate」「term」「call」、補語が形容詞になる動詞は「render」「make」「consider」、to不定詞は「permit」「enable」「allow」「prompt」「lead」などです。
例文:(補語が名詞)He named his cat Max.(彼は猫をマックスと名付けました。)
:(補語が形容詞)My family makes me happy.(家族は私を幸せにしてくれます。)
:(補語がto不定詞)The scholarship enables me to study in Japan.(奨学金のおかげで、日本で学べます。)
英語の文法を意識しても、日本語をそのまま英語に訳すと、英語論文では不自然な文章になることもあります。
英語論文で特に避けたい用法は、次の2つです。
科学の英語論文においては、主語を出さずに事実に焦点をあてた文章にするため、受動態で執筆することがありますが、受動態の文章は不透明になりやすいデメリットです。
英語論文では基本的には能動態の文章が望ましいです。
◯ We found A.
☓ A was found.
(Aが発見されました。)
英語では、動詞を名詞にして文章にすることも可能ですが、文章を明確に使えるのには適していません。
簡潔な英語論文にするためには、動詞を名詞にすることも避けましょう。
☓ The increase of X was dramatic.
◯ A increased dramatically.
(Aは劇的に増えました。)
英語論文の執筆の際、日本人がやりがちな間違いは、次の5つです。
日常会話では句動詞を使うことで、表現力を豊かにできますが、句動詞を使った文章はフォーマルではないため、英語論文は使用しません。
単体動詞のほうがフォーマルな印象になるため、英語論文でも、句動詞ではなく、単体動詞を選が選ばれます。
英語論文の英文添削でよく訂正される、句動詞は以下のとおりです。
☓ | ◯ |
get up | rise、increase |
put into | contribute |
find out | discover |
get together | merged |
bring about | caused |
日本語には「複数形」がないため、英文添削でもよく訂正されます。
英語では「単数形」に「s」または「es」を付けて、「複数形」にしますが例外も多く存在します。
例外の名詞には、以下のようなものがあります。
【単数形と複数形と同じ名詞(単複同形)】
単数形 | 複数形 |
means(手段) | means |
species(種) | species |
【不規則に変化する名詞】
単数形 | 複数形 |
man(男) | men |
woman(女) | women |
【複数形のみで使われる名詞】
scissors(はさみ)
glasses(メガネ)
trousers(ズボン)
【単数形でも複数形として使われる名詞】
people(人々)
police(警察)
【複数形と単数形に使われる名詞】
company(会社)
firm(会社)
government(政府)
【複数形でも単数形に使われる名詞】
news(ニュース)
economics(経済)
politics(政治)
英語論文では簡潔な文章が好まれるので、文章はできるだけ短くまとめるようにします。
1つの文章が3行以上になってしまった場合には、文章を分割して最低でも2つの文章に分けたほうが良いです。
その際に気をつけたいのが接続詞です。
文章を2分割にしたからといって、その文章をつなげるために「but」や「and」のような接続詞は必ずしも必要ではありません。
接続詞を使うことで文のつながりを明確にできる効果はありますが、 使いすぎると読みづらくなるので注意してください。
冠詞には「不定冠詞(aとan)」と「定冠詞(the)」がありますが、日本人はこの2つの違いをうまく使いこなせないことが多いです。
「不定冠詞(aとan)」と「定冠詞(the)」を間違えると、文章の意味が通じなくなってしまうこともあるので、英語論文でも冠詞を正しく使用することが肝心。
不特定多数の人やもののひとつを指す場合は「不定冠詞(aとan)」、唯一無二の人やものには「定冠詞(the)」を使います。
「,(カンマ)」「.(ピリオド)」「:(コロン)」「;(セミコロン)」「“ ” or ‘ ’(引用符)」などの句読点の使い方も、英文添削でよく指摘されます。
句読点を上手に使いこなすことで、文章もわかりやすくなるので、文法と合わせて句読点の使い方も学んでおくことも重要です。
その他、英語論文執筆の際、文法以外で気をつけるべきことは下記も参考にしてください。
英文添削をするおすすめの方法は次の2つ。それぞれの特徴と、使い分けは次のとおりです。
英文チェッカーは文章をコピペしてクリックするだけで、簡単に英文添削ができる便利なツールです。
無料なので、気軽に文法とスペルを訂正ができます。
ただし、あくまでも機械が英文添削するので、必ずしも正しいとは限りません。
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英語添削業者では、その分野に精通した校正者が英文添削を行うので、文法やスペルのチェックだけでなく、論文のクオリティを上げてもらえます。
ジャーナルを投稿する際は、投稿規定に沿って論文を作成しなくてはいけませんが、英語添削業者に依頼すればフォーマットの調整も依頼することも可能です。
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英文添削を依頼すれば、「文法、数量の表記」の訂正だけでなく、「科学的表現の適切性」「研究の新規・有用性の明確化」「ジャーナル投稿規定チェック」なども行ってくれます。
会員登録をすれば、会員価格が適用され料金が安くなるのも魅力です。
英語の文法を理解し、好まれる文型や避けるべき用法、英文添削で訂正されやすい用法を把握していれば、初めて英語論文を執筆する方も間違いの少ない英語論文に仕上げられます。
それでも、初心者が最初から完璧な英語論文を執筆するのは難しいもの。
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