商談などで日常的に英語を使っている外資系企業のビジネスパーソンであっても、いざかしこまった英文書類を書こうとすると基本的作法が身についておらず、頭を抱える人が少なくないといいます。
一見英語を使う機会が少ないように思われる中小企業にもグローバル化の波は着実に押し寄せ、取引を英語で行う日がいずれ訪れると言われています。国際化社会に取り残されないためにも、そしてビジネスのチャンスをさらに広げるためにも、今のうちにビジネス英作文の基本を身につけておきましょう。
日頃からビジネスにおいて頻繁に英語を使う機会が多いと予想されるのは外資系企業です。とりわけ貿易関係の業務をメインに行っている企業であれば全社員に高度な語学スキルが要求され、当然、ビジネス英作文を書く機会も増えてきます。また、外資系以外でも海外に支部を多く抱える企業であれば本部と海外支部、あるいは各国の支部同士で英文書類のやり取りを行うことになり、それ相応の英作文スキルが求められます。英文書類を送る相手は取引先とはかぎらないのです。
有名企業の中には今後よりいっそう本格化するグローバル化社会を見据え、社内の公用語を英語に設定し、会議や資料にも英語を使用するところも多いようです。英語の文章は非常に論理的につくられており、こちらの結論を明確に伝えることができるためビジネスの場では最適な言語なのです。これまで英語があまり必要でなかった企業でも今後、コミュニケーションツールの中心が英語に切り替わっていくことは充分に考えられます。
日本語と英語の決定的な違いは論理性にあります。ビジネスの場で英作文を書く一番のポイントは、何よりも先に結論をもってくることです。英語が論理的だと言われる理由のひとつで、冒頭で結論をはっきりと主張することで文書全体の方向性を簡潔に伝え、論旨を正確に理解してもらう効果があります。
結論の次に必要となるのは論拠です。最初に結論を述べておき、なぜその結論に至るのかをコンパクトにまとめれば、英作文の9割は完成したも同然です。ビジネスで使う書類なのですから、くだけた表現は基本的に不要です。俗っぽいスラングを使う人はいないと思いますが、ユーモアを出そうと多少やわらかい表現を多用する人は時折見受けられます。フランクな雰囲気のあいさつ文ならばそれも喜ばれるかもしれませんが、あらたまった文書ではかえって軽い印象を与えてしまいますので、送る相手とTPOをよく見きわめたうえでボキャブラリーを調節するようにしましょう。
日常でふれる英文とビジネス英文では使われるボキャブラリーや論理構成が微妙に異なるため、違った視点から添削を行う必要があります。ビジネスにかぎらず、日本人が英文を書く場合に頭を悩ませるのが冠詞と不定冠詞の使い分けです。
冠詞および不定冠詞は日本語にはない概念なので、日本人にはなかなか理解しにくいようです。定冠詞とはtheのことで、不定冠詞はaやanのことです。読み手にとって未知の情報を表す場合には不定冠詞を使い、既知の情報を表す場合は定冠詞を選ぶのがわかりやすい覚え方のようです。
この2つ以外に無冠詞というのがあり、これはつまり冠詞を何もつけないことを意味するのですが、ここでまた初級者は混乱が生じます。どんな場合なら冠詞が不要で、また冠詞をつけるのであれば定冠詞と不定冠詞のどちらがふさわしいのか、日本語になじまない概念だけに慣れるまでは相当な時間と労力を要するようです。冠詞は英語の論理を理解するうえで最も基本的な領域なので、納得いくまでエッセンスを落とし込みましょう。
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