英文添削にオンラインツールや学校および添削業者を活用しよう

英語で学術論文を書くためには、どんな知識やスキルが必要なのでしょうか。

また、書き上げた英語論文を英文添削するにはどのような方法があるでしょうか。

この記事では、英語で論文を書くために必要なことを解説するとともに、書き終えた論文を英文添削する際におすすめのオンラインの英文添削アプリや英文添削業者を紹介していきます。

英文添削の方法に迷っている方は、ぜひとも読んでみてください。

英語で論文を書くために必要なこと

英語で論文を書くためには、どんな知識やスキルが必要とされるのでしょうか。

文法的に正しい英語で書くことができる

英語論文には正確性が求められるため、英単語のスペルにミスがないことはもちろん、文法的に正しい英語で書く必要があります。

スペルと英文法の規則を把握したうえで、アカデミック英語でよく使われる表現に関する知識を豊富に持っておくとよいでしょう。

専門用語の語彙力がある

学術論文では、特定の事象や概念を表すときにのみ使用される専門用語が多く使用されます。

学術分野ごとによく使われる専門用語があるので、英語で専門用語を書けるようにしておきましょう。

和英辞書等を使用する際は、専門分野に特化した辞書を使うことが大切です。

その分野で広く使われている、またはジャーナル指定の専門辞書がある場合は、それを普段から読み込んでおくとよいでしょう。

英語論文の構成を知っている

英語論文にはある程度決まった構成があり、多くの分野で「IMRAD(イムラッド)」形式がよく使われます。

「IMRAD」は、

  • Introduction(序章)
  • Methods(方法)
  • Results(結果)
  • Discussion(考察)

の頭文字を取ったものです。

Introduction(序章)では研究の背景や既存研究の紹介、本研究の課題を述べ、Methods(方法)で本研究に使用した方法を、Results(結果)では研究結果を、Discussion(考察)では研究結果に対する自身の解釈を記述します。

IMRAD形式にしたがって書くことで、著者にとって書き進めやすくなるとともに、読者にとっても何がどこに書いているか予測でき読みやすい英語論文となります。

論理的に書くことができる

英語論文は論理的一貫性が重視されます。

一貫性があると説得力が増すため、文と文の間、段落と段落の間、また論文構成の各パート間で、主張がブレないようにしましょう。

たとえば、「つなぎ言葉」と呼ばれる副詞や副詞句には、「順接」を示す”therefore”、「逆説」を示す”however”、「結果」を示す”as a result”などがありますが、文頭にこれらを適切に配置することによって、前の文(段落)との関係性を明確にすることができます。

また、各パートで相反する内容の主張をしていないか、Introduction(序章)で示した研究課題に、Discussion(考察)で明確に答えているかなどにも留意し、論理的一貫性を有する英語論文に仕上げましょう。

書いた英語論文を英文添削してもらうこと

英語論文のようなフォーマルかつ専門的な英文を書く時は、論文執筆に慣れている研究者や、英語ネイティブの研究者であっても英文添削を受けることが多いです。

ノンネイティブの日本人が書いた英語論文の質を高めるためには、英文添削が欠かせません。

英文添削する方法には、オンラインのツール、学校、または英文添削業者を活用する方法があります。

どれを選べば最も読みやすい英語論文になるのでしょうか。それぞれの特徴や活用方法を、以下でご説明します。

英文添削にオンラインアプリを活用する方法

最も安価にかつ手軽にできる英文添削方法は、オンラインの英文添削アプリを活用する方法です。

最近は無料で質の高いものが増えており、使い方次第で英語論文にも活用できるレベルになっています。

オンラインアプリの特徴

オンラインの英文添削アプリとしては、Grammarly(グラマリー)はGinger(ジンジャー)などがおすすめです。

スペルミスや英文法上の誤りを含む英文添削ができるため利便性が高く、英語のネイティブスピーカーにも活用されています。

なお、オンラインの英文添削アプリは、インターフェースや解説が英語で書かれていることが多いので、活用するに当たってはある程度の英語力が必要になります。

英文添削にオンラインアプリを活用する方法

オンラインの英文添削アプリを活用する際は、修正された箇所をそのまま採用するのではなく、自身が書いた英語がなぜ間違いだったのか理解し、修正後の英語表現が英語論文の内容や前後の文に照らして正しい表現なのか、確認することが大切です。

オンラインの英文添削アプリは、専門用語や内容を踏まえた英文添削にはあまり対応していないため、修正後の英語が正しくない可能性があります。

オンラインの英文添削アプリは、あくまで基本的な英語のミスを修正するための活用にとどめるのが無難です。

後述する学校や英文添削会社を活用する場合においても、あらかじめオンライン英文添削アプリを使って英文添削しておけば、明らかな英語のミスを減らすことができます。

学校や英文添削会社で、より質の高い英文添削をしてもらうことが可能になるので、事前チェックとして英文添削アプリを活用することもおすすめです。

オンラインの英文添削アプリについては、以下の記事も参考にしてください。
『英文添削アプリはどう選ぶ?オススメのアプリ7選!』

学校で英文添削してもらう方法

次に、学校で英語論文を英文添削してもらう方法です。

学校による英文添削の特徴

英文添削をしてくれる学校には、通学制だけでなく、「英文添削アイディー」や「フルーツフルイングリッシュ」などオンラインの学校もあります。

英文添削アイディーは添削1回166円~という手頃な値段で利用でき、英語学習者向けサービスがメインです。

フルーツフルイングリッシュは、英語力が中上級の方向けで、550円~/回で利用することができます。

担当が日本人講師であれば、修正箇所を日本語で解説してもらえる点がメリットです。

ただ、学校で英文添削してもらう場合、通学・オンラインともに英文添削可能な英文量は限られ、英語論文全体を見てもらえる学校は少ないと言わざるを得ません。

たとえば、英語資格試験のライティング対策を行う学校であっても、英文添削は多くても数百ワード程度です。

英文添削してくれる学校の選び方

英文添削してくれる学校を選ぶ際は、アカデミック英語のライティングを教えていて、かつ英文添削も行っている学校を選びましょう。

英文添削のクオリティは、どんな講師が担当するかによって大きく左右されます。

学校の講師陣の中に、アカデミック英語のライティングの経験があり、かつ教えたり英文添削したりした経験のある講師がいるかチェックしましょう。

英文添削業者に依頼する方法

英文添削業者は、オンラインの英文添削アプリや学校の英文添削とどのような点が異なり、特徴を持つのでしょうか。

また、英文添削業者はどのように選んだらよいのでしょう。

英文添削業者の特徴

英文添削業者は、アカデミック英語のライティングに詳しいだけでなく、英語論文の英文添削の実績があり、英文添削に当たって留意すべきポイントにも詳しいのが特徴です。

また、各専門分野に通じた英語ネイティブが英文添削を担当するため、専門的な内容にまで踏み込んだ英文添削を受けられます。

英語論文のようなボリュームの多い英文にも対応可能で、単語数や納期に応じて料金を設定している会社が多いです。

英文添削業者によっては、英文添削内容の種類に応じて、複数のプランを提供しているところもあります。

英文添削業者を選ぶ際のポイント

英文添削業者を選ぶ際は、各社のウェブサイト等を見てどのような学術分野に強いのか、その分野での添削実績はどれくらいあるのかをチェックするようにしましょう。

また、自身の(できるだけ細分化された)専門分野に詳しい校正者の有無や、その校正者の出版経験、英文添削の経験、ジャーナルの査読経験を確認しておくと、ミスマッチを減らすことができます。

英文添削の内容は、各英文添削会社、また同じ会社の中でも英文添削プランによって異なりますので、英文添削時の解説が丁寧であるか、英文添削後に質問に対応してくれるか、再校正をしてもらえるかなどに着目し、自身にあったものを選択するようにしましょう。

英文添削サービスについては、以下の記事も参考にしてください。

『英文添削サービスおすすめ3選!料金や特徴を徹底比較 』

英語論文の書き方が学べる人気の英文添削業者5社

英文添削業者を選ぶ際のポイントを踏まえ、おすすめできる英文添削業者5社を以下でご紹介します。

【おすすめの英文添削業者】

英文添削業者 料金 英文添削プラン 再校正サービスの有無
edanz(エダンズ) 12~21.5円 1種類 あり
enago(エナゴ) 5.5~28円 3種類 プランによる
editage(エディテージ) 5.5~30円 3種類 あり
FORTE(フォルテ) 8.8~19.25円 3種類 プランによる
英語エキスパート 4~9円 3種類 プランによる

edanz(エダンズ)

edanz(エダンズ)は、医学および科学分野の英文校正を専門に掲げる英文添削業者です。

1995年に日本で設立されて2019年にm3グループの一員となり、世界中に顧客を有しています。

300名以上いる校正者は、医学・科学分野の博士号と3年以上の英文校正実務経験を持つ英語ネイティブスピーカーで出版経験やライティング教授経験、ジャーナルでの査読経験がある校正者も数多くいます。

これらの専門分野に通じた校正者が、2年以上の編集経験を持つネイティブとチームを組んで、2人体制で英文添削を行うため、非常に高いレベルの校正が可能です。

英文添削の料金は納期に応じて分かれており、納期が3営業の場合は1単語当たり12円、2営業日の場合は16.5円、1営業日の場合は21.5円。

一番手頃な料金でも、3営業日と短期間で英文添削してもらえます。

英文添削の品質を保つため英文添削の内容は1種類に統一されており、英語自体のミスの修正はもちろんのこと、専門知識を踏まえた英文添削や投稿規定チェックにも対応可能です。

専門的な内容を含む論文の英文添削を安心して任せることができ、かつ修正理由の説明や代替表現の提案を通して英語論文の書き方を学ぶことも可能であるため、英文校正・添削に最適といえるでしょう。

enago(エナゴ)

enago(エナゴ)は、200万人以上の研究者向けに英文添削を行った実績のある英文校正・論文投稿支援会社です。

様々な学術分野の学位を有する2,000名以上の英語ネイティブ校正者が2人体制で英文校正を行っており、細分化された1,500以上の専門分野に対応できます。

英文添削サービスは、内容に応じて3種類あり、英語自体のエラーを修正する「ノーマル英文校正」は1単語5.5円~、英語論文の構成もチェックする「アドバンス英文校正」は1単語9.5円~、学術的内容にまで踏み込む「トップインパクト英文校正」は1単語28円~となっており、いずれのサービスにおいても、担当校正者に質問が可能です。

また、英語論文のライティングに関してアドバイスが書かれた「原稿評価カルテ」が発行されるので、次に英語論文を書く際の参考にできます。

「ノーマル英文校正」以外の2つのサービスでは、無料の再校正もついています。

editage(エディテージ)

editage(エディテージ)は、日本人が英語論文をジャーナルに投稿する際の支援を行う会社です。

1,300以上の専門分野にまたがる3,000人の英文校正者チームが、2人体制で英文添削を担当しています。

校正者は学位を持つネイティブで、専門分野は大きく分けて医学系、物理科学・工学、生命科学、人文社会科学、ビジネス・経済学の5つ。

英文添削サービスは内容により3つに分かれ、料金は「スタンダード英文校正」が1単語当たり5.5円~、「プレミアム英文校正」が1単語当たり10.5円~、「トップジャーナル英文校正」が1単語当たり30円~。

いずれのプランも英語上達サービスが付いており、質問をすると校正者が答えてくれます。

「プレミアム英文校正」と「トップジャーナル英文校正」では、投稿の前でも後でも、1年間無料で無制限に再校正が受けられるのが特徴です。

また、英語の質が原因でジャーナルにリジェクトされた場合、全額返金してもらえる保証が付いています。

FORTE(フォルテ)

FORTE(フォルテ)は、学術系の文章の翻訳や英文添削サービスを提供する会社です。

約250名の校正者が在籍しており、医療・科学技術分野の欧米系ネイティブ専門家が2人体制で英文添削を担当。

見積もりから納品まで、日本人コーディネーターによるサポートを受けられます。

文法・スペルのみをチェックする「英文校正ライト」は1単語当たり8.8円、基本の「英文校正」は13.75円、1年間無料で再校正を受けられる「英文校正365」は19.25円となっています。

「英文校正ライト」と「英文校正」の場合、投稿前の英語論文を一回無料で再校正可能です。

ジャーナル投稿後に査読者から英語に関する指摘があった場合、フォルテが問題を確認してレポートを提出してくれます。

ネイティブ校正者による個別指導サービスもあり、希望すればオンラインで受けられるため、英語で口頭のコミュニケーションを取ることに抵抗がない方にとって、英語論文の書き方をマンツーマンで学べる貴重なチャンスです。

英語エキスパート

英語エキスパートは、英語のテープ起こし、英語論文の英文添削、英文ライティングなどの英語関連サービスを提供しており、3,000以上の英語論文を英文添削した実績があります。

52分野に細分化された専門分野の学位を持ち、現役の専門家や研究者である英語ネイティブ2人が英文添削を担当。

1人目の校正者がチェックした後2人目の校正者がチェックし、その後再度1人目の校正者が最終チェックする3段階の英文添削システムを導入しているため、ハイクオリティな英文添削が可能です。

料金は英文添削のレベル別に分かれており、「ベーシック文法チェック」が1単語当たり4円、「ノーマル英文校正」が5~6円、「プレミアム英文校正」が8~9円と比較的手頃な料金設定で、添削後は無料で質問を受け付けています。

まとめ

この記事では、英語で論文を書くために必要とされる知識とスキル、英語論文の英文添削に活用できるツールや学校、英文添削業者についてご説明しました。

英語論文を書くに当たっては、アカデミックライティングのスキルや専門用語の語彙力があること、英語論文の構成や論理的な文章の書き方を知っていることが大切です。

英語論文を書きあげた後は、英文添削を受けましょう。

英文添削にはオンラインアプリ、学校、英文添削業者などを活用する方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

論文の内容を踏まえた英文添削をしてもらうには、高い専門性を備えた英文添削業者に依頼するのがベストです。

自身の専門分野に強い英文添削業者を選び、質の高い英文添削を通じて英文ライティング力を高めていきましょう。

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