英語ライティングのコツを解説|独学でも上達できる!

英文を書いている時、英語でどう表現するのか思いつかない、自分が書いた英文が正しいのか自信がないと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。

この記事では、英語でライティングするに当たって知っておくべきコツや、ライティング力を鍛えるのに効果がある独学方法と役立つアプリをご紹介。

また、英語論文など正式な英文の場合は、英文添削業者に依頼するのもおすすめであることを、そのメリットと共にご説明しています。

英語ライティングのコツ

英語ライティングには日本語の文章を書く時とは異なるコツがいくつかあります。

これらのコツをあらかじめ知っておくと、英語で文章を書くのがぐんと楽になります。
以下で英語ライティングのルールを5つご説明します。

英文構成を考えてから書き始める

英文は文章構成がしっかりしていることが特徴で、英文を書く時は、最初に英文構成を決めてから書き始めるのがコツです。

書き始めて途中で英文構成を微修正するのはかまいませんが、構成を考える前に思いついた順に文章を書いていくという書き方だと、後で文章をまとめるのが大変です。

ほとんどの英文は、大まかにイントロダクション(序論)、ボディ(本文)、コンクルージョン(結論)の3つの部分に分かれます。

ただ、英文の種類によってはコンクルージョンがなかったり、ボディがさらに細分化されたりすることがあります。
英文の種類に応じて、一般的な英文構成がどうなっているのか調べておきましょう。

英文構成が決まったら、各構成部分でどんな内容を書くのかを箇条書きなどで書いておきます。
実際に文章を書き始めるのはその後です。

英文構成と各構成部分で何を書くかを考えることに、ある程度時間を割いて丁寧に行っておくと、その後のライティングがスムーズに進みます。

1パラグラフ1トピックの原則

英文構成を決めた後は、各構成部分をパラグラフ(段落)に分けて書いていきます。
英語の文章は「1パラグラフ1トピック」で書くのがコツ。
各パラグラフは、それぞれ1つのトピックのみを含め、2つ以上のトピックを含めないようにしましょう。

パラグラフの最初に「トピックセンテンス」を書き、その後にトピックセンテンスの理由や根拠を示す「サポートセンテンス」を複数文書きます。

トピックセンテンスはパラグラフの要旨を表す文です。
各パラグラフのトピックセンテンスだけを読んだ時に、その英文全体の要旨が分かるように書くのがコツです。

英語は結論を先に書く

英語が日本語と大きく異なるのは、英語は「結論を先に言う」傾向が強い言語であることを意識して書くのがコツです。

この原則は、1つの文の中でも、パラグラフでも、英文全体でも同じです。

上述した様にパラグラフではトピックセンテンスが最初に置かれ、英文全体では、最初のイントロダクションの中で結論に言及することが多いのです。

1つの文に関しては、日本語と違って英語は、文の最初の方で肯定文か否定文か分かり、理由を表す部分や修飾部は後半に置かれることが多いです。

たとえば「私は・・・だと思う。」という肯定文と「私は・・・とは思わない。」という否定文を考えてみましょう。
この2つの文を英語で言うと、

“I think …”
“I do not think …”

となります。
日本語だと「思う」のか「思わない」のかは文の最後まで見ないと分かりませんが、英語だと最初の方で分かります。

また、理由を表す部分や修飾部は日本語だと前半に置かれることが多いですが、英語だと後半に置かれることが多いです。

<理由を表す部分の位置>
「私は卵が必要だったので買い物に行った。」
“I went shopping because I needed some eggs.”

<修飾部の位置>
「私は読み終わった本を彼女にあげた。」
”I gave her a book which I had finished reading.”

このように、一文レベルでもパラグラフレベルでも英文全体においても、「結論が先」であることを意識して書くのが英語ライティングのコツです。

シンプルな英語で書く

英文は「シンプルイズベスト」。
読者に正しく伝えることが最優先事項なので、小説など一部の英文以外は、文学的表現は必要ありません。
簡潔明瞭な英文を書くことを心がけましょう。

具体的には、一文が長くなりすぎないようにし、より短い代替表現があればそれを使うようにするのがコツ。

たとえば、「・・・にもかかわらず」を意味する英語表現には”in spite of …”と”despite”がありますが、”despite …”を選んだ方が簡潔になります。

また、節(主語と述語を含む一節)で表現するより分詞構文(主語と述語を含まない)で表現した方が、簡潔な文になります。

たとえば、「その結果を受け取った後、・・・。」を節で表すと
After we obtained the result, …
となります。

これを分詞構文で言い換えると、
Obtaining the result, …
のように短く表すことができます。

同じ意味の文を繰り返さないようにすることも大切です。
似たような内容の文が続いていれば片方を削除し、2つの文を1つの文にまとめられないか検討してみましょう。

日本語から英訳しない

英語ライティングをする際に、日本語でまず文章を書いてそれを翻訳しようとすると、どうしても日本語に引きずられて不自然な英語になりがちです。

もし既に日本語の原文がある場合は、直訳にならないように気を付けましょう。

日本語を一語一句訳していくのではなく、文の内容を正確にとらえ、それを英語で表現していく気持ちで英文を書くのがコツです。

英語のライティング力を鍛える効果的勉強法

日本の英語教育ではライティングの指導が圧倒的に不足しているため、英文を書く必要が出てきた場合はライティングをあらためて学ぶ必要を感じる方がほとんどではないでしょうか。

英語ライティングを学ぶためには、授業やマンツーマンのレッスンを受けなくてはいけないと考えがちですが、実は独学でもライティング力を鍛えることができます。

以下で、独学でできる英語ライティングの勉強方法をご紹介します。

ライティングに必要な英文法をおさらい

英文法をおさらいすると言っても英文法の知識を問う試験を受けるわけではないので、ライティングに特に重要な文法項目を中心に復習します。

文法書などに一通り目を通して理解した後は実際に英文を書きながら、文法知識を忘れていた場合は再度文法書を参照するのがおすすめです。

最初に復習すべき文法項目として、英文の構造を理解するのに必須である「5文型」と、それぞれの要素に置かれる単語の「品詞」があります。

たとえば、第3文型の「SVC」はS = 主語、V = 動詞、C = 補語であり、S (主語)= C(補語)の関係になります。S(主語)には名詞、V(動詞)には動詞が来て、C(補語)には名詞か形容詞が来ます。

<C(補語)が名詞の場合>
彼は先生です。
He is a teacher.

<C(補語)が形容詞の場合>
彼は親切です。
He is nice.

英語ライティングで間違えやすいところ、たとえば自動詞と他動詞の区別や句読点の使い方なども重要です。

たとえば、「そのチームは20人のメンバーで構成されている。」を英語で書く場合、以下の例文のように、自動詞(consist)でも他動詞(comprise)でも表せます。

<自動詞を使った文>
The team consists of twenty members.

<他動詞を使った文>
The team comprises twenty members.

動詞が自動詞か他動詞かによって、動詞の後に前置詞を必要とするかしないかが異なるため間違えやすいポイントです。

上の例では、“consist”は自動詞であり目的語(twenty members)の前に前置詞”of”を必要としますが、”comprise”は他動詞なので前置詞を必要せず、目的語を直後に置くことができます。

句読点の使い方については、たとえばライティングでよく使うディスコースマーカー(詳しくは後述)には「接続詞」と「副詞(句)」があり、接続詞はカンマの後に使い副詞(句)はピリオドの後に使うという違いがある点に留意しましょう。

下の例文で、”but”は接続詞で”however”は副詞です。

<接続詞のディコースマーカー>
I went to the library yesterday, but it was closed.

<副詞のディコースマーカー>
I went to the library yesterday. However, it was closed.

なお、副詞(句)が文頭に来る時は、副詞(句)の直後にカンマを置きます。

英語ライティングでよく使われる表現を身に付ける

英語の語彙力は英語ライティング力に直結します。
自分が書く英文の種類に応じてよく使われる単語は、自由自在に使えるようにしておきましょう。

また、分野を問わずレポートや論文でよく使われるフレーズや構文を知っていると、以下の例文のように(…)の部分を入れ替えるだけで文ができあがります。

The graph below shows …
The most important finding is …

英語ライティングで覚えておくと便利なのが、以下の表に例示した「ディスコースマーカー」です。
ディスコースマーカーは「つなぎ言葉」とも言われ、文と文、節と節をつないで両者の関係(逆説など)を表します。

【ディスコースマーカーの例】

 

種類 接続詞 副詞(句)
逆説 but however
譲歩 although despite …
例示 for example
対比 while on the other hand
理由 because for these reasons
結果 so therefore
追加 and in addition



英語ライティングでよく使われる表現を身に付けると、英語ライティングが格段に楽になります。
ライティングの際に積極的に使うように意識しましょう。

英語ライティング上達の近道は真似をすること

英語ノンネイティブの日本人にとって、英文を自分で一から考えて組み立てるのは至難の業と言ってもいいでしょう。英語ライティング上達の一番の近道は、良い英文を真似することです。

自分と同じ専門分野の論文を読む

まずは、自分と同じ専門分野の英文をたくさん読みましょう。

たくさん読んでいる内に、よく使われる専門用語、フレーズや構文などが分かってくるので、それらに印を付けておきましょう。

お手本となる英文の例として、英語論文であれば、自分の専門分野において最も信頼されているジャーナルに掲載されている論文や、他の研究者によく引用されている論文などが挙げられます。

文献レビューのために文献を読み込むついでに、役に立ちそうな英語フレーズに印を付けておくのがおすすめ。

その際、内容上重要なところと英語ライティングの勉強のために役立つ部分を区別するため、それぞれ違う色で印を付けるのがコツです。

¬なお、その分野で頻出する一般的な英語表現を参考にすることは問題ありませんが、内容を表す部分を含んでいると、それを真似した時に「剽窃(ひょうせつ)」と見なされる可能性があることに留意が必要です。

役立つ英語表現をストックする

お手本となる英文で印を付けておいた表現は、エクセルなどにまとめておくことをおすすめします。
同じ意味を表す複数の表現がある場合は、まずは自分が使いやすい表現に絞ってリストアップしても良いでしょう。

このようにして作った英語表現リストは、英語でライティングする際に自分だけの心強いツールになります。

お手本となる英文を音読・模写する

英語ライティングのお手本とする英語論文などを読んで理解した後は、それを音読・模写することも取り入れてみましょう。

英文を音読・模写することを通じて、そこに出てくる英語表現が自分のものになり、「読んで理解できる英語」からライティングに「使える英語」になります。

なお、読み方が分からない英語はなかなか頭に定着しないものです。
音読していて読み方が分からない単語が出てきたらネットなどで発音を確認しましょう。

模写する場合は、手書きで書いてもパソコンで打ち込んでもどちらでも効果があります。
自分のやりやすい方法で模写しましょう。

英語ライティングの上達にアプリを活用

英語ライティングを上達させるためには、英文を書いた後に見直して自分のミスを修正したり、新しい表現を学んだりすることが欠かせません。

その際、「英文添削アプリ」や「翻訳アプリ」が役に立ちます。

「英文添削アプリ」は機械添削なので添削のレベルには限界がありますが、年々クオリティが高くなっており、スペルミスや簡単な文法上の間違いを見つけるには十分。

無料で使えるものも多いので、これらのアプリを活用しない手はありません。

「翻訳アプリ」は機械翻訳の技術が向上したため、以前と比べて自然な訳文を得られることも多くなりました。

英語で何と言うか思いつかない時や自分で書いた英語表現に自信がない時、翻訳アプリに日本語を入力して訳出された英語表現を参考にするという使い方ができます。

英文添削アプリや翻訳アプリには、修正候補や訳文候補が複数提案されるアプリもあります。
単に英文を修正するだけでなく、様々な表現を学ぶことができ自分の表現の幅が広がるというメリットもあります。

以下で英文添削アプリの例として「Glammarly」と「Ginger」、翻訳アプリの例として「Google翻訳」と「DeepL」をご紹介します。

Glammarly

「Glammarly」は英語ネイティブも使っている英文添削アプリ。
チェックしたい英文をコピー&ペーストするとリアルタイムで英文が添削されます。

「プラグイン」を利用すればメールやワードでも使え、英文を入力しているそばから添削を受けられてとても便利。

有料版は無料版よりより多くの文法項目についてミスが修正されるほか、ミスの理由も表示されるので、英語ライティング力を上げるのに一層役に立つでしょう。

Ginger

「Ginger」もGlammarlyに似た機械添削のアプリ。
無料版でも複数の代替表現の提案があるのが魅力の一つです。

Gingerは辞書機能があるため、1つのアプリで添削だけでなく辞書としても使えるので英語ライティング学習者に適しています。

また、テキスト読み上げ機能があり、修正した正しい英文を耳から聞くこともできます。

Google翻訳

「Google翻訳」は、世界で最もよく知られた機械翻訳アプリ。

以前は翻訳の精度が疑問視されていましたが、近年大幅に精度が向上し、英語ライティングの際に大いに参考にできるレベルになっています。

英語でどう表現するのかまったく思い浮かばない時に、翻訳例が得られるのは心強いです。

DeepL

2017年から提供開始された比較的新しい翻訳アプリの「DeepL」。
英語の種類にもよりますが、Google翻訳よりも精度の高い訳文が得られることもあると評判。

この2つのアプリを併用して、自分が言いたいことをより良く表現している英文を探すのも一つの手です。

上記の4つのアプリは、リアルタイムで添削・翻訳できてかつ無料版があります。
時間やコストをかけずに英語ライティング力を上げるための、良きパートナーとして活用してはいかがでしょうか。

英語ライティングは添削してもらうのもおすすめ

ここまで、英語ライティングを向上させるには独学でできることもたくさんあるとお話してきました。

ただ、ライティングは実際に書いてそれを添削してもらって修正するという作業を繰り返すことが欠かせません。

上述した添削アプリや翻訳アプリは、基本的な英語のミスを修正し英文のヒントを得るには優秀なツールですが、専門的な内容を含む英文を添削・英訳することは難しいです。

英語論文など専門性が高く正確な英語が求められる英語ライティングにおいては、プロの校正者がいる英文添削業者に添削してもらうことが効果的です。

まずは自分でプルーフリーディング

英語ネイティブであっても、自分で書いた英文を見直す作業は欠かせません。

英文添削業者に依頼する場合でも、英文を書き終わった後依頼する前に自分でプルーフリーディング(文章を見直すこと)しましょう。

自分で初歩的な英語のミスや論理的一貫性をチェックし、かつ(完璧に正確なものでなくても)ネイティブに通じる英語で書かれているか確認することが、より効果的な添削を受けるコツです。

英文添削業者に依頼するメリット

英文添削業者に依頼すると、自分で気づかなかったミスの指摘、より良い表現の提示、説得力のある英文に修正してもらえるメリットがあります。

英語論文の場合を添削してもらう場合は、論理的一貫性があるか、投稿予定のジャーナルにアクセプトされやすい英文かという観点からも校正してもらうことが可能です。

プロの英文添削を受けることで、英語ライティングの力もアップさせることができます。
自分のミスのパターンが分かり、よりよい英語表現を教えてもらうことで表現の幅が広がります。

まとめ

ここでは英語ライティングのコツとして、

  • あらかじめ英文構成を決めること
  • 1パラグラフ1トピックで書くこと
  • 結論を先に書くこと
  • シンプルな英語で書くこと
  • 日英翻訳にならないようにすること

などをお伝えしました。

また、独学でライティング力を鍛える勉強方法として、英文法を復習してライティング頻出表現を習得、良い英文を模倣することやアプリを活用することをご提案。

専門性の高い英文は英文添削業者に依頼することもおすすめであるとご説明しました。

英語ライティング力は一朝一夕には身に付きませんが、便利なアプリや英文添削業者などをうまく活用しながら、少しずつ確実にライティング力を身につけていきましょう。

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