英文で論文を書くことは慣れないと難しいもの。
英語論文では日常英会話やビジネス英語とは違い、アカデミックイングリッシュが求められるので、言い回しや表現で苦労するひとも多いようです。
今回は、この3つの英語の違いについて解説します。
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英語は使うシーンごとによく使う単語が異なってきます。
アカデミックイングリッシュとは、その名の通り大学や大学院、専門学校などの学習機関で使われる学問的な英語のことです。
もちろん論文もアカデミックイングリッシュを使用します。
とはいっても、英語自体全く別物ということではなく、使うシーンごとによく使われる英語や表現方法がことなるということに過ぎません。
日本語でも同じ意味であっても、日常英会話と学会や論文で使われる言い回しが違うもの。
例えば、英語でも「言う」を意味する動詞でも使われる単語が違い、日常英会話でよく使われる「say」はアカデミックイングリッシュでは使用を避けたい単語です。
それぞれニュアンスが違う「言う」になるので、どのように表現したいかで言葉を選ばないといけません。
この他、得る・獲得するという意味のgetはobtainに、理解するという意味のunderstandはcomprehendに置き換えられます。
日常英会話やビジネス英語は学校教育などで取得しやすいですが、フォーマルなアカデミックイングリッシュは日本人にとって学習の機会が日常英会話やビジネス英語よりも少なくなりやすいです。
ネイティブの場合、成長する過程で3つの英語の使い分けを学習しますが、日本人の場合それができません。
単語の面だけでなく、I(私は)の使用を避けるといったルールや、論文などを執筆する際に必要となる構造の理解、参考文献の書き方といったものもアカデミックイングリッシュを使用する上では必要ですが、日本人の場合、意識して学ばないと身につけにくい環境にあります。
英語論文を執筆する必要性がある人はただ英語を学ぶだけではなく、アカデミックイングリッシュをしっかりと学べる環境を作る必要があるのです。
具体的に日常英会話・ビジネス英語とどう違うのでしょうか。
それぞれについてもみてみましょう。
日常英会話は、文字通り英語話者と日頃コミュニケーションを取るのに必要な英語です。
中学英語でまず真っ先に習った、初歩の英語として記憶している読者の方も多いことでしょう。
一方で日常英会話は旅行や趣味、天気やその日あった出来事など話題が多岐にわたるため、実は日常英会話レベルの英語を網羅することは難しかったりもします。
日常英会話の特徴は砕けた表現や短縮形・省略形が使われることです。
「I am」が「I’m」に、「can not」が「can’t」にと、短縮されるだけでなく、主語や動詞そのものが省略されることもあります。
また、発音が変わることもあるので、何をいっているのかが分からなく困ってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。
例えば、want toがwanna、kind ofがkindaになります。
学校教育で学ぶ英語力があれば基本的には日常英会話では困らない知識を身につけることは可能ですが、知っておかないと会話についていけなくなることもあります。
ビジネスで使われる英語は、日常英会話のところで触れたような挨拶や近況報告などのコミュニケーションする上で基礎的な部分は変わりありません。
しかし、会議や取引、メールのやり取り、ビジネス上でトラブルが起こった場合など、日常英会話よりも丁寧な英語の使い方を知っておくことが必要です。
例えば、「~してもらえますか?」といいたい時、「Can you ~?」よりも「Could you~?」の方が丁寧な言い方です。
他にも日常英会話では使用してもビジネス英語では好まれない単語・表現がたくさんあります。
単語が同じでも日常英会話とビジネス英語では違う意味になるものもあります。
このようにビジネス英語ならではの表現があるので注意しましょう。
日常英会話とビジネス英語を比較した場合、ビジネス英語の方が丁寧な表現をしますが、日常英会話の延長上でビジネス英語を学ぶことは可能です。
日常英会話もビジネス英語も、文法上で大きな違いはありません。
しかし、アカデミックイングリッシュと、日常英会話・ビジネス英語には大きな違いがあり、日常英会話やビジネス英語ができるからといって、アカデミックイングリッシュもできるとは限らないです。
ビジネス英語もフォーマルな英語ではありますが、使われるシーンや単語が違うので、使い分けが必要となり、英語論文を執筆するのであれば、アカデミックイングリッシュ独特のルール・表現について知っておきましょう。
さきほど「say」を例に、アカデミックイングリッシュで使用できる表現をご紹介しましたが、他にはどういったものがあるのか見てみましょう。
接続詞のsoは、どちらかというと口語表現になるので、英語論文などアカデミックイングリッシュが求められる場での使用は避けましょう。
Enoughの言い換え表現としては、下記の通りです。
ニュアンスが微妙に違うので、より適切な方を使用しましょう。
情報を付け加えたい時に使うalsoは、アカデミックイングリッシュでは文頭で使うのを避けましょう。
下記の表現で言いかえが可能ですが、必ず「,(カンマ)」を最後につけるようにしてください。
A lot ofは実はインフォーマルな表現。
アカデミックイングリッシュでは下記の表現が適切です。
アカデミックイングリッシュについて理解を深めた所で、英語論文各構成でしっておくと便利な表現をご紹介。
英文論文は基本的には、Title、Abstract、Introduction、Experimental、Results、Discussion、Acknowledged、Referenceの順に構成されています。
人によって多少捉え方が異なるため、順序が前後したりまとめられていたりしますが、今回は基本的な構成の場合でご紹介します。
Abstractでは、IntroductionからDiscussionまでの要点をまとめて書きます。
内容については、Introduction以下で詳しく述べるので、簡潔にどういった論文なのかを伝えましょう。
Introductionの大事な役割は、詳細情報の前置きであること。
これまでの先行研究や過去の事例はすべて網羅し、今回発表する研究の意義を明確にすることが必要です。
Introductionでは、研究に至る経緯や背景などを記す場合もあります。
背景などを明確にすることで、研究の意義をより鮮明に伝えることができます。
ここでは行った研究の詳細を書きます。
重要なのは、再現性です。
他者があたかもその説明を聞けば再現できるように実験の詳細を書きます。
例えば、使用した薬品のグレードや装置の型番、製造メーカーなどにも言及していきます。
ここでは実験から得られた結果を簡潔にそして正確に書いていきます。
図・表・グラフを使用しながら、わかりやすくすることがポイントです。
上記のResultsをもとに、考察を行っていきます。
Resultsで得られた結果をもとにして、あなたの考えを述べます。
論文を書くにあたってお世話になった方々に対して御礼の言葉を述べます。
お世話になった方の名前を書くことで、論文の信ぴょう性を高めることも可能です。
論文を作成する際に使用した参考文献をすべてここに記します。
他人の研究を自分のものとして発表した著作権侵害に当たるため、漏れがないよう注意しましょう。
アカデミックイングリッシュは、日常英会話やビジネス英語と同じく英語ではありますが、独特の言い回しや表現があります。
英語で論文を書く時にはこれらの違いを意識して執筆をしないと、研究がすばらしくてもジャーナル採択されない可能性が高くなってしまいます。
自身で適切なアカデミックイングリッシュを身につけることも大切ですが、英文添削会社に依頼をして、ジャーナルに投稿する論文にふさわしい表現に直してもらうことが可能です。
株式会社エダンズでは、誤字脱字だけでなく、各専門分野に特化した担当者が適格にアカデミックイングリッシュに添削してくれます。
英語論文の最終チェックとして利用をおすすめします。
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